高齢者住宅の種類と、その違い(3)。


ここでは、介護保険の「施設サービス」が適用されない入所施設である、「有料老人ホーム」
についてご説明します。


民間の有料老人ホームは、住宅条件としては決まったものはありませんが、
独立した住戸と、食堂など各種サービスが利用できる共用施設を備えていることが多いです。
食事サービスが必ずついていることが、特徴です。


入居費用も、施設により高額なものから、リーズナブルな水準まで様々といえますが、支払方法は一般に「入居一時金」「月額利用料」の組み合わせによる合計となります。

最近では「入居一時金」不要、という有料老人ホームも増加していますが、そのようなケースでは通常、他の介護施設へ移るまでの短期入所などが想定されていることもあって、一般に「月額利用料」
高く設定されています。

また、有料老人ホーム独自に別途の追加料金をオプション費用として設定している施設が多く、これが「月額利用料」に追加され、最終的な月額負担が結構な金額に達するケースが多いようです。

いずれにせよ、施設入居・設備運営に係わる費用は、入所者が全額負担することになります。
「有料老人ホーム」への入居は、あくまで「施設の経営者と、入居者との自由意志にもとづく契約」だからです。


「有料老人ホーム」は、厚生労働省の分類にもとづき「健康型」「住宅型」「介護付」の3類型に
分けられています。

介護保険の導入以降、有料老人ホーム、とりわけ「(介護付)有料老人ホーム」の数は、急激に増加しました。
現在は「(介護付)有料老人ホーム」が、「有料老人ホーム」全体のほぼ8割を占めています。


入所まで数年待ちはザラといわれるくらいに競争率の厳しい「介護老人福祉施設(特養)」に入るための待機者の増加や、入所期限が原則3ヶ月となっている「介護老人保健施設(老健)」を退所せざるを得なくなった段階で受け皿として入所する利用者の増加が、その背景にあると言われています。


なおここで「介護保険の適用がない」といっているのは、介護保険における「施設サービス」
利用できない、ということを指します。
訪問介護や訪問入浴、デイサービスやショートステイなどの「居宅サービス」は要介護認定に応じて、
有料老人ホームにおいて受けることができます。

「(介護付)有料老人ホーム」
であれば、施設スタッフないし施設が契約した外部の事業者がサービスを提供し、「(住宅型)有料老人ホーム」であれば、入居者自身が外部の事業者を選んで契約して、
サービスを受けるかたちになります。)


高齢者住宅の種類と、その違い(1)。でご説明した、介護保険の「施設サービス」が受けられる
入所施設(介護保険三施設)以外の施設に入所していても、入浴・日常生活上の世話・機能訓練などの、介護保険を使った「居宅サービス」を受けられる介護施設があります。


「(介護付)有料老人ホーム」
「ケアハウス」といった施設がそれにあたり、それらの施設は
「特定施設」と呼ばれ、そこで受けられる「居宅サービス」は、「特定施設入居者生活介護」
呼ばれます。

「(介護付)有料老人ホーム」は介護保険における「特定施設」とされているため、そこで受けられる
サービスは介護保険上の「在宅扱い」となり、「居宅サービス」である「特定施設入居者生活介護」
を利用することができるわけです。


「有料老人ホーム」
においては、介護保険の「施設サービス」の適用はないことから、入居金・
施設設備・運営費などは、すべて入居者の自己負担となります。

しかしながら、「特定施設」となる「(介護付)有料老人ホーム」「ケアハウス」に入居している
ならば、「特定施設入居者生活介護」のサービスの形で介護保険が使えますよ、ということです。


もっとも、この「特定施設」で提供されるサービスの内容が、施設ごとにそれぞれ違うので、どこまで
介護保険が利用できて、どこからが利用できないのか、はた目からはなかなかわかりにくいところです。


あわせて、「介護保険、そしてケア付の高齢者住宅について。」のコラムもご参照ください。


また、多くの(介護付)有料老人ホームにおいては、介護保険の定めた以上の介護を提供しており、
これらは「上乗せサービス」「横出しサービス」と呼ばれています。
この部分については、利用者側の全額負担となるので、注意が必要です。


有料老人ホーム
側は、それらの介護保険が定める範囲を超えるサービスの内容・概算費用などに
ついて、あらかじめ利用者に対して、「運営規程」「重要事項説明書」で情報開示すること、
とされています。

とりわけ「重要事項説明書」は、「入居契約書」と共に、その有料老人ホームの中身を吟味するのに
欠かせない、交付と説明の義務づけられた非常に重要な書類です。

難解な用語を交えて作成されていますので、契約の数日前には入手しておいて、あらかじめ中身をよく読んで不明点は質問し、疑問点を契約の前に解消しておくようにする必要があります。


次のコラムでは、
厚生労働省の定める「有料老人ホーム3類型」についてご説明します。

 



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