有料老人ホーム~特定施設と介護保険。


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ここでは、介護保険の「施設サービス」が適用されない入所施設である「有料老人ホーム」についてご説明します。


民間の有料老人ホームは、住宅条件として決まったものはありませんが、独立した住戸と、食堂などの各種サービスが利用できる共用施設を備えていることが多いです。食事サービスが必ず付いていることが特徴です。

入居費用も、施設によって高額なものからリーズナブルなものまで設定水準は様々ですが、支払は一般に「入居一時金」と「月額利用料」の組み合わせによる合計額となります。

最近では「入居一時金は不要」という有料老人ホームも増えていますが、そのようなケースでは通常、他の介護施設へ移るまでの比較的短期の入所が想定されていることもあり、一般に「月額利用料」が高く設定されています。

また、有料老人ホーム独自で別途の追加料金をオプション費用として設定している施設も多く、これが月額利用料に追加されて、最終的な負担が結構な金額に達するケースが多いようです。

いずれにせよ、施設入居・設備運営に係わる費用は入所者が全額負担することになります。「有料老人ホーム」への入居は、あくまで「施設の経営者と、入居者との自由意志にもとづく契約」だからです。


「有料老人ホーム」は、厚生労働省の分類にもとづき「健康型」「住宅型」「介護付」の3類型に分けられています。

介護保険の導入以降は有料老人ホーム、とりわけ「(介護付)有料老人ホーム」の数が急激に増加しました。入所まで数年待ちはザラといわれるくらいに競争率の厳しい「介護老人福祉施設(特養)」に入るための待機者の増加や、入所期限が原則3ヶ月となっている「介護老人保健施設(老健)」を退所せざるを得なくなった段階で、その受け皿として入所する利用者の増加が背景にあると言われています。

有料老人ホームでは「施設サービス」でなく、訪問介護や訪問入浴・デイサービスやショートステイなどの「居宅サービス」を、要介護認定に応じて受けることになります。

((介護付)有料老人ホームであれば、特定施設入居者生活介護(居宅サービス)か施設が契約した外部の事業者が提供するサービス、そして(住宅型)有料老人ホームであれば、入居者自身が外部の事業者を選んで契約して、そのサービスを受けるかたちになります。)


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全供給数の4割強を占める「介護保険三施設」とは。 でご説明した、介護保険の「施設サービス」が受けられる入所施設(介護保険三施設)以外の施設に入所していても、入浴・日常生活上の世話・機能訓練など介護保険の利用による「居宅サービス」を受けられる介護施設があります。


有料老人ホーム」や「ケアハウス」がそれにあたり、それらのなかで人員配置や設備の基準を満たした施設は「特定施設」と呼ばれ、そこで受けられる居宅サービスが「特定施設入居者生活介護」と呼ばれます。

介護付有料老人ホームは介護保険における「特定施設」とされているため、居宅サービスである「特定施設入居者生活介護」を利用できます(ちなみに要支援者は、「介護予防特定施設入居者生活介護」のサービスが利用できます)。


有料老人ホームでは介護保険の「施設サービス」の適用はないため、入居金・食費・施設設備・光熱費・運営費などは、すべて入居者の自己負担となります。

しかしながら、「特定施設」となる介護付有料老人ホームやケアハウスに入居しているならば、「特定施設入居者生活介護」のサービスの形で介護保険が使えますよということです。

(ちなみに近年は「サービス付き高齢者向け住宅」でも、特定施設の指定を受けた物件が増えています(特定施設のサ高住~介護付有料老人ホームとの違い ご参照))。


もっとも、この「特定施設」で提供されるサービス内容は施設ごとに違うのが現状で、どこまで介護保険が利用できてどこから利用できないのか、はた目にはなかなかわかりにくいところです。

(あわせて、「介護保険、そしてケア付の高齢者住宅について。」のコラムもご参照ください。)


また多くの介護付有料老人ホームでは、介護保険が定めた以上の介護を提供しており、これらは「上乗せサービス」「横出しサービス」と呼ばれています。これらについては利用者側の全額負担となるので、注意が必要です。


有料老人ホーム側は、介護保険が定める範囲を超えるそれらのサービスの内容・概算費用などについては、あらかじめ利用者に対して、「運営規程」や「重要事項説明書」で情報開示することとされています。

とりわけ「重要事項説明書」は、「入居契約書」と共にその有料老人ホームの中身を吟味するのに欠かせない、交付と説明が義務づけられた非常に重要な書類です。

難解な用語を交えて作成されていますので、契約の数日前には入手してあらかじめ中身をよく読んでおき、不明点があれば質問して契約前に疑問を解消しておく必要があります。


次のコラムでは、厚生労働省の定める「有料老人ホームの3類型」についてご説明します。

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