高齢者住宅と一口にいっても、介護付・サービス付き・賃貸・共同など、実にさまざまな種類があります。どこがどう違うのか、混乱していませんか?
その様々な種類について、入居を考えるにあたって最低限知っておきたい知識と情報をわかりやすく整理し、加えて高齢者住宅・介護施設の選び方のポイントについてもご説明します。
増加が続く「サービス付き高齢者向け住宅」や、2015年・2017年の改正介護保険法が高齢者住宅選びに及ぼす影響等についても解説しています。
高齢者住宅とは、そもそも何か。
高齢者住宅は、定まった法的な定義のある用語ではありません。
(ただし2011年(平成23年)10月の改正「高齢者住まい法」によって創設された「サービス付き高齢者向け住宅」は、法的に登録要件が定まっており、登録していない物件は「サービス付き高齢者向け住宅」と名乗ることはできません。)
一言でいってしまえば、「高齢者に配慮した住まい、ないし高齢者専用の住まい」であり、そしてこの点だけが、以下に述べる住まい全般における共通点になります。
端的に言えば、バリアフリーマンションに高齢者が多く住んでいて、彼らの多くが、時々訪問介護サービスを受けている。
このようなマンションを「高齢者住宅」と呼んでも別に間違いではないのが、現在の状況です。
分類するための切り口としても、「施設(建物)」に着目するか、「介護付か否か」で分類するか、介護付の場合は「入所型」か「在宅型」か、など、いろいろな切り分け方ができるのが現状で、すぐには理解し難くなっているのが現状です。
また、居住権についても、一時金を払い「終身利用方式」として權利を得るのか、通常の賃貸マンションのように家賃を月払いしていく「(終身)賃貸方式」になるのか、という違いがあります。
ここでは、いちばんイメージしやすいと思われる考え方、すなわち「その高齢者の住む場所における、サービスの受け方」の違いからみた分類を中心に、高齢者住宅を整理していきたいと思います。
すなわち、
・「有料の老人向け施設に住み、介護その他のサービスを受ける"入所施設"タイプ」か、
・「訪問介護など、外部サービスを必要に応じて受ける"賃貸住宅"タイプ」か、
の主に二つに着目して、その種類を整理します。
全供給数の4割強、「介護保険三施設」。
前コラムでご説明のとおり、一口に高齢者住宅といっても数多くの種類があるので、順を追ってご紹介します。
まず「介護保険が適用される入所施設(介護保険三施設)」について、説明します。
なお、ここで「介護保険が適用される」という場合、介護保険の「施設サービス」が適用される(「施設サービス」利用時における自己負担額が原則1割となる)ということを指しています。
どの施設に入所するか、その施設でどんな施設サービスを受けるかは、利用者が介護や医療の状況に応じて自由に選ぶことができます(ただし希望する施設の側に空きがなく入所できない、といった制約は当然あり得ます)。
訪問介護や訪問入浴・デイサービスやショートステイなど介護保険の「居宅サービス」、そして「地域密着型サービス」は、(介護付)有料老人ホームやケアハウスなどの「特定施設」やグループホームなどの「認知症対応型共同生活介護施設」において、要介護認定に応じて受けることができます。用語としての「施設サービス」と「居宅サービス」の二つを混同しないよう、注意しましょう。
「介護保険が適用されない入所施設」については有料老人ホームの全体像~特定施設と介護保険利用の関係。 のコラムを、また介護保険については介護保険、そして「ケア付の高齢者住宅」について。 のコラムを、それぞれご参照ください。
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