高齢者住宅の種類と、その違い(2)。


高齢者住宅の種類と、その違い(1)。でとりあげた、介護保険の「施設サービス」が適用される
「介護保険三施設」
について、前コラムで掲載した(1)-(3)の順番に沿って、ご説明します。


(1)「介護老人福祉施設」(「老人福祉法」上の特別養護老人ホーム「特養」と略称)は、希望者は自由に申し込めるものの、一般的に入居待機者が非常に多く、入居待ちの期間も長期化することが
普通です。
また入居の決定においては、入所の必要性が高い人・緊急性が高い人が、優先されます。

介護機能に最も重点をおいた施設となっていますが、その分入所者も80歳以上の高齢者が過半を
占めており、退院できないままに看取られる入所者が、相当数に達している現状があります。


(2)「介護老人保健施設」「老健」と略称)は、リハビリによる在宅復帰の支援を基本的機能と
しており、3ヶ月ごとに入退所の判定が行われ、そこで入所を継続するか、それとも帰宅となるかが判断
されます。
入居期間も最大半年程度に限られ、いずれは退所が必要になるのが、「老健」です。


「介護保険三施設」
の中でも中間的な位置づけとなっており、在宅復帰を目指すとは言いながらも、「介護老人福祉施設(特養)」へ入所するまでのつなぎとして扱われる場合も、現実には少なくない
ようです。


(3)「介護療養型医療施設」は、全国に3,000施設弱、居室数にしておよそ13万床あり、介護保険が適用される、介護と医療の両方を必要とする高齢者が長期療養のために入所する施設です。


「介護療養型医療施設」
は、「介護保険型療養病床(介護療養病床)」とも言われ、かつての「老人病院」にあたる医療施設です。
高度な手術などは行われないものの、一般の病院と変わりなく、医師が24時間体制で治療に
あたっています。


「介護療養型医療施設」は、「介護老人福祉施設」(特養)「介護老人保健施設」(老健)
比べて医師や看護師の数も多く、利用者一人あたり月額費用も、それらの施設よりも10万円以上
高くつくなど、費用対効果の面からの問題が、かねてより指摘されてきました。


加えて、現実には医療や看護をほとんど必要としない入所者が約半数を占める「社会的入院」から生じる給付費の無駄が指摘されたこと、介護保険ではなく医療保険の適用となる「医療保険型療養病床(医療療養病床)」「介護療養型」「医療保険型」のどちらの療養病床に入院するかは、病院側の判断によります)と機能が似ていることについても、これまで指摘を受けてきました。


そのため、厚生労働省により、「介護療養型医療施設(介護療養病床)」については、2011年度末(2012年3月末)で廃止される方針が、示されています(廃止される既存の施設は、他の介護施設への、転換が促される予定です)。

(ちなみに、この「介護療養型医療施設(介護療養病床)」の廃止・「医療保険型療養病床(医療療養病床)」の削減については、まだ十分に社会的認知が進んでいるとは言えず、一説には、まだ知らない患者の家族の数が5割近くに達している、というアンケート結果もあるそうです。)


なお、「介護療養型医療施設(介護療養病床)」を出た高齢者が「老健」に移る場合、これまでのリハビリ施設としての「老健」は医療・看護体制が比較的弱かったことから、今後その機能を強化する必要がある、との厚生労働省の基本方針が現在、打ち出されています(「転換老健」と称されています)。

そしてこの方針にもとづき、厚生労働省は2008年5月、患者の受け入れ先の中核とするべく「介護療養型老人保健施設(新型老健)」の制度を、新たにスタートさせています。

(なお、「介護療養型老人保健施設(新型老健)」については、姉妹サイト「介護施設と介護老人福祉・保険施設 その種類と役割」介護療養型老人保健施設(新型老健)、その内容と問題点。をご参照ください。)



さて、上述した国の介護保険が適用される「介護保険三施設」への入所(すなわち介護保険「施設
サービス」
の利用)は、要介護者に限られており、要支援者は入所することができません。


介護保険
の適用による経済的負担の軽さが魅力なためか、「介護保険三施設」への入所希望者は
年々増え続けており、なかでも特養においては、要介護度も4か5でようやく新たな入居対象とされ、
しかも数百人待ち、数年待ちもザラで、入居すること自体、非常に困難となっているのが現状です。


しかし民間においても、もちろん入居一時金が数千万円もする超高級有料老人ホームなどもあるものの、一方でこれらの入所施設との費用的な差がそう大きくない、「特定施設」である「(介護付)有料
老人ホーム」「ケアハウス」
などがここ数年で増えており、選択の幅が広がってきていることも確かです


したがって、まずは事前によく比較して調べてみることを、おすすめします。


次のコラムでは、介護保険の「施設サービス」が適用されない入所施設である「有料老人ホーム」を中心に、ご説明します。

 



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