ケアハウス・シルバーハウジング・シニア住宅。


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都市基盤整備公団や地方住宅供給公社などの、いわば「準公共的」な組織が主に事業主体となって、提供される高齢者住宅には、以下のようなものがあります。

全供給数の4割強を占める「介護保険三施設」とは。 で説明した「介護保険が適用される入所施設」は、競争率が高く入居まで長期間待たされることや、入居における優先条件など制約があること、また有料老人ホームの全体像~特定施設と介護保険利用の関係。 で説明した「民間の有料老人ホーム」は、施設によって高額の一時入居金を負担するケースがあること、などのマイナス点があります。


以下にあげる高齢者住宅は、入居条件や入居費用も比較的緩やかなものが多く、また必要な時や緊急時のサービスを受ける体制を有しており、重度の要介護者を除く高齢者がプライバシーを守りながら生活を続けていくことが可能です。

シルバーハウジング

地方公共団体・都市基盤整備公団・地方住宅供給公社などが提供する、いわば「高齢者への世話付きの、公的賃貸住宅」です。

これは、1987年に当時の建設省と厚生省が連携してモデル事業として始めた「シルバーハウジング・プロジェクト」に基づくものです。

ライフサポートアドバイザー(LSA)といわれる生活援助員が派遣され、緊急時対応や生活相談などのサービスにあたります。住宅構造は、バリアフリーとなっています。

入居条件は原則60歳以上の高齢者のみの世帯、または障害者世帯で、所得制限があります。家賃は入居者の所得によっても違ってきます。

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ケアハウス

地方公共団体や社会福祉法人などが提供する、高齢者のプライバシーや身体機能の特性に配慮した生活設備と構造を備えた、比較的低料金の有料老人ホームです。

特養の入所者よりも心身機能の低下の軽い人が、入居するイメージです。「ケアホーム」などの名称を採っているところもあります。

個室なのでプライバシーの確保がなされており、また有料老人ホームのような高額の入居一時金は不要(ただし預託金が必要な場合があります)で、価格も比較的低廉なことから人気が高まっています。

現在の施設数は、全国で約2,000ヶ所となっています。ケアハウスに入居できるのは、原則60歳以上の単身または夫婦(一方が60歳以上で可)です。施設長と入居契約を結んで、入居することになります。

緊急時や夜間にも対応する職員がおり、自炊ができない程度に機能低下が認められた方や、高齢のため独居に不安がある方に適した施設です。


日常生活において介護が必要となった場合は、外部から居宅サービスを受けるのが原則です。

ただし特定施設の指定を受けているケアハウスであれば、外部委託の介護事業者のサービスでなく、施設内の職員が入所者の介護も行うことから安心感が高まります。

特定施設については、特定施設のサ高住と介護付老人ホーム。ご参照。)

支払う利用料金は、管理費・生活費・食材費・事務費等の合計額となります。また所得制限は特になく、所得が少ない場合は利用料の軽減措置が用意されています。


在宅サービスを利用しながら住み続けるのにも限界があるため、ケアハウスも有料老人ホームなどと同様、「特定施設」の指定がとれるようになりました。

中間所得層に受け入れられやすい「介護付ケアハウス」の、今後の増加を予測する向きもあります。

ちなみにこの「ケアハウス」、老人福祉法で老人福祉施設のひとつとして位置づけられる「軽費老人ホーム」の一種とされています。

「軽費老人ホーム」には、A型(食事サービスが受けられる)B型(原則、自炊が基本)、そしてこのケアハウスがありますが、上述のとおりケアハウスは一定の基準を満たすことで「特定施設」になれるため、介護付有料老人ホームとの実質的な差異は今日ほとんど見出しにくくなっています

こうなった背景のひとつとして、療養病床の廃止・削減による将来的な受け皿不足の解消を狙った厚生労働省が、介護保険が適用される「特定施設」の範囲を、後追いでケアハウス等にまで徐々に拡げていったことがあげられます。

シニア住宅

都市基盤整備公団・地方住宅供給公社・認定を受けた民間機関などが提供する、「高齢者への配慮が施されたケア・サービス付きの賃貸住宅」です。

一定の基準を持つ賃貸住宅について、一般財団法人 高齢者住宅財団による認定を行っています。

原則、60歳以上の高齢者のみの世帯が入居でき、健康期からの入居が可能です。

高齢者の生活特性に配慮したバリアフリー住宅、食堂やレクリエーション施設などの共用施設の充実などが、その特長とされます。

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