高齢者住宅とは、そもそも何か。
高齢者住宅は定まった法的な定義のある用語ではありません。
一言でいってしまえば、「高齢者に配慮した住まい、ないし
高齢者専用の住まい」であり、そしてこのことだけが、以下に
述べるすべてにおいて、共通する点になります。
端的に言えば、バリアフリーマンションに高齢者が多く住んで
いて、彼らの多くが、時々訪問介護サービスを受けている。
このようなマンションを「高齢者住宅」と呼んでも別に間違いではないのが、現在の状況です。
高齢者住宅を分類する切り口としても、「施設(建物)」に着目するか、「介護付か否か」で分類するか、
介護がある場合それは「入所型」か「在宅型」か、など、いろいろな切り分け方ができるのが現状で、
すんなりとは理解しがたくなっているのが現状です。
また、居住権についても、一時金を払い「終身利用方式」で得るのか、通常の賃貸マンションのように
家賃を月払いしていく「(終身)賃貸方式」になるのか、という違いがあります。
ここでは、いちばんイメージしやすいと思われる考え方、すなわち「その高齢者の住む場所における、
サービスの受け方」の違いからみた分類を中心に、高齢者住宅を整理していきたいと思います。
すなわち、
・「有料の老人向け施設に住み、介護その他のサービスを受ける”入所施設”タイプ」か、
・「訪問介護など、外部サービスを必要に応じて受ける”賃貸住宅”タイプ」か、
の、主に二つに着目して、高齢者住宅の種類を整理します。
実際上の問題として、高齢者住宅は数多くの種類があるほうが、よいという見方があります。
高齢者住宅といえばまず「有料老人ホーム」をイメージされる方も多いと思いますが、厚生労働省はこれを介護の必要の有無という点から、「介護付」・「健康型」・「住宅型」の3類型に分類しています。
また施設という面からみれば、以下順次説明を加えてまいりますが、介護保険の施設サービスの適用がある「介護保険三施設」の他に、「グループホーム」、「シルバーハウジング」、「ケアハウス(介護利用型」)、「高齢者向け優良賃貸住宅」など、これも様々な名称で呼ばれる、数多くの種類があります。
先進国の中でも突出して高齢化が進む日本で、医療費の抑制に苦慮する厚生労働省は、これまでの
「施設介護」から「在宅介護の推進」へと、施策を転換する舵取りをしつつあります。
「高齢者住宅の種類と、その違い(2)。」で説明のとおり、全国に13万床あるといわれる「介護療養型
医療施設」は、2011年度末(2012年3月)で廃止予定です。そうなると、入居3ヶ月ほどで退去を
迫られてしまう高齢者たちは、いったいどこでどうやって生活していったらいいのか、という問題が出てきます。
地方自治体や社会福祉法人が運営する「介護保険三施設」は満員の状況が続き、「特養」などは
要介護者であっても何年も空きを待たなくてはならない状況が続いています。
加えて、有料の老人ホームは一般に高額であり、すんなり入居をさせてあげられないのが現状です。
だからと言って、精神的にも体力的にも大変なエネルギーを要する在宅介護は、現実問題として
対応可能かどうかわからない。
このような、非常に難しい選択と判断を迫られる「高齢者のいる家族」が、今後この日本でますます
増えていくことは、確実です。
そのような方々の受け皿として「高齢者住宅」の存在がクローズアップされてくることも間違いないですし、そのためにも経済負担を中心とした個々の事情に照らして、利用者側となる高齢者とその家族に
とって、高齢者住宅を検討するための選択肢は数多くあるほうがよい、という見方もできるでしょう。
いずれにせよ、高齢者住宅を利用する場合には、施設の事前見学や費用負担の問題はもとより、
入居する本人の希望なども考慮し、じっくり検討したうえで決めるべきでしょう。
それでは次のコラムから、高齢者住宅のさまざまな類型について、説明してまいります。
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