高齢者向け共同住宅の、メリットと問題点。
高齢者同士が集まって、共同住宅でお互いの生活を共同化する「グループホーム」、「グループリビング」、そして共同台所や食事室などを設け、入居者が交代制で食事の用意などを担当するかたちで
生活の一部を共同化する「コレクティブハウジング」といった高齢者向け共同住宅の形態が
いくつかあります。
(ちなみに、「グループホーム」は、要介護1-5の認定を受けている認知症高齢者に入居が限定され、介護保険の在宅サービスの適用があります。
「グループリビング」は別名「グループハウス」とも呼ばれ、認知症高齢者だけに限定されることも
なく、施設の運営形態も様々となっています。
高齢者同士が共同で暮すことの最大のメリットとしては、高齢者の孤立感・疎外感を防ぎ、家庭的な
雰囲気による日常生活やリハビリが可能になることで、生活の質をあげていくことができる点にある、と
いえるでしょう。
一方で、これまでの高齢者向け共同住宅においては、年金で支払える程度の家賃をベースに建物を設計したり、下宿や量の改築により発足したと言う経緯から、現実には6~8畳一間の物件などもかなり多い状況です。
入居希望者が二間を希望するなど、住宅スペースにゆとりを求めてくる事から生じる、そのニーズと現実とのずれも大きくなってきました。 このため、より希望条件に適合した施設に入居希望者が集中してしまうため、他の物件に人が集まらなくなって入居者の募集に苦労するという事態も起きているようです。
これまでは、高齢者向け共同住宅を建設する場合、「常時十人以上の老人を入所させ、食事の提供
その他日常生活上必要な便宜を供することを目的とする施設」という旧老人福祉法の規定に該当して
はじめて、都道府県への登録の届出が必要な有料老人ホームとする扱いになっていました。
そのため、設備投資負担の大きい有料老人ホーム要件に合致しないことを画策する業者もいて、
高齢者向け共同住宅においても、「説明とサービス内容が違う」といった様々なトラブルも起きていました。
しかし、2006年4月の改正老人福祉法の施行により、有料老人ホームの定義・サービス要件
などが変更され、介護、食事、洗濯・掃除などのサービスのいずれかを、自前、委託に関係なく提供
していれば有料老人ホーム扱いとなり、都道府県への届出義務が生じることとなりました。
様々な制約を嫌い、あえて有料老人ホームの定義にあてはまらないようなサービスの提供だけを
行う『類似施設』が急増していたため、地方自治体の監査対象を広げる狙いもあったようです。
したがって、高齢者向け共同住宅を建設する場合も、今後は食事・掃除・介護などの提供サービスを
行っている場合、定義としてはすべて「有料老人ホーム」に該当することになります。
(ただし、「高専賃」は、有料老人ホームの届出を要さず、その対象外となっています。
「介護保険、そしてケア付の高齢者住宅について。」のコラムも、あわせてご参照ください。)
改正老人福祉法によって、地方自治体による監視・行政指導の、一層の強化がはかられていく
でしょう。
また、都道府県による立入検査・改善命令の公表もできることになりましたので、これまで高齢者向け共同住宅によく起こっていたトラブルも、減少の方向に向かうものと期待されています。
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