「介護老人福祉施設(特養)」 現状と課題。


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食事・入浴・排泄などについて常時介護が必要な人向けの施設である「介護老人福祉施設特別養護老人ホーム、特養)」への入居を希望する場合は、現在は市区町村か施設に直接申し込む形になっています。

入居にあたっては、要介護度の高い人が優先されることになっていますが、全国的に「介護老人福祉施設特養)」の数が圧倒的に足りない現状にあるため、新たに入居するには要介護度が4か5でないと、実質的には入居が難しい状況です。

介護保険法の改正により、2015年4月からの特養への新規入所は、法律上も原則として「要介護3以上」に限定されました。

ちなみに要介護度が1・2であっても、市町村の関与を条件に入所を認める「特例入所」も、併せて設けられています。

認知症でも身体的に健康なことから要介護度3未満と判定されている方は少なくありませんが、特養への入所にあたって今後は市町村の関わりが強くなることに注意が必要です。


「介護老人福祉施設(特養)」の設置は自治体か社会福祉法人に限られ、その建設費用の多くが補助金でまかなわれています。

その設置数が不足しているのは明らかなのですが、自治体の負担も大きいため、施設数が限られているのが現状です。

このような背景もあって入居待機者数は増える一方となっており、その数は現在の施設入居者数とほぼ同規模程度に達している、というデータもあるようです。

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ところで、「介護老人福祉施設(特養)」はこれまでは4人部屋が主流でしたが、2001年以降は「個室」でなければ新たに設置できなくなっています

10室の「個室」をひとまとまりとして介護する、居住者のプライバシーにも配慮した「ユニット型」という仕組みです。 これらの施設は「新型特養」とも呼ばれています。


しかしながらこのユニット型、全国の介護老人福祉施設(特養)の約14%にとどまっています。

ユニット型への移行がなかなか進んでいない理由のひとつに、既存の4人部屋の改装・改築費用が施設側の負担になり、ひいては経営を圧迫していることがあるようです。

居住者同士のコミュニケーションの円滑化を重んじる観点から、最近では「相部屋もむしろ必要」と考える自治体が少しづつ増加してきていることも、見逃せません。

厚生労働省が「ユニット型」を増加させていく姿勢を変えていないため、経営難に悩む施設が多い現状で「ユニット型」への移行・新型特養の建設が今後どの程度進むかが、注目されています。


また介護老人福祉施設(特養)においては、介護料や食費や居住費の他に「買い物代行費用」や「消耗品代金」などの名目で、施設が独自に設定した費用を徴収するところも多いようです。

入居者の中には認知症を併発している方も多いため、それらが本人のケアのための適切なサービスとして設定されたものなのかどうか外部からは検証しにくいこと、あるいは別途の費用を徴収しておきながらサービスへの十分な反映がなされた形跡がない、といった場合もあるようです。


介護老人福祉施設(特養)においては、利用者がサービスと費用の関係がわかりやすいような情報開示を、さらに進めてほしいところです。

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