「介護付有料老人ホーム」、施設チェック時の大切な視点(2)。


特養などでは、自治体の役員などが天下りによって施設長に就任するケースも多く、介護福祉業界の経験・ノウハウの乏しい人間がトップとして運営していることが珍しくない、といわれています。


有料老人ホームにおいても、会社の成長が社長によって決まるのと同じように、その質は「施設長」に
よって決まる、と言っても、過言ではありません。


ここ数年の有料老人ホームの急速な増加を受け、大手企業の運営による有料老人ホーム等においては、施設長をはじめとした施設管理者の養成が追いつかず、介護の実態を知らない施設長や管理者が、入居者の家族とトラブルを起こすといった事例も増えてきているようです。


有料老人ホームの見学時には、施設長は介護福祉業界の出身者かどうか、そして介護業界の
経験年数は何年くらいかについても、話を聞くときに忘れずチェックしておきましょう。

さらには介護福祉士社会福祉士などの資格を持っているかどうかについても、尋ねておくとよい
でしょう。


施設長だけでなく、施設スタッフの質についてデータ・実際の見学の両面から調べておくことも、また
重要です。


大手の介護運営企業は、どこも経営上の問題として、スタッフを中心とした人材の確保・定着率の向上に悩んでいます。


「重要事項説明書」には、「前年度一年間の退職者数」が記載されていますが、これがスタッフ総数の半分を超えているようでは、定着率があまりに低すぎ、サービスの質も大いに疑われますので、
避けたほうがよいでしょう。


これらについては、入手した「重要事項説明書」や、「介護サービス情報の公表」について。で説明したインターネットにおける公表情報で、「職員の定着率」「退職者数」「有資格者数」などについて、
あらかじめ調べておくようにします。


そして施設見学時には、スタッフの様子を観察し、明るい雰囲気を醸し出しているか、おしゃべりに熱中して入居者をみていないスタッフをひんぱんに見かけたりしないか、あいさつや声の掛け合いなどが
ちゃんとしているか、などを中心に観察するようにしましょう。


施設の見学や体験入居はもちろん必須なのですが、有料老人ホームによっては、良いところを見せようと、体験入居時にあわせたリハーサルを事前に行い、芝居を見せるがごとくの演技をするところも
あったり、またあらかじめ決められた見栄えの良い見学コースだけしか案内しないところもあったりで、
なかなか油断がなりません。


施設を実際に見たとか一泊二日の体験入居が良かったからというだけで、安心してしまわず、往訪見学回数を複数回にすることで、チェックするポイントを増やし、さまざまな面から施設を総合的に評価して
いく必要があります。


特に入居をすでにいくつか断られていたり、あるいは特別に入居を急いでいたりする場合には、
どうしても判断が甘くなり、施設側の言い分を好意的に評価してしまいがちになりますので、その点は
気をつける必要があります。


施設を見学に行くときは、自分ひとりの評価に過度にかたよらないようにするためにも、できれば何人かで連れ立って、訪れることをおすすめします。


また、必ず一度は、施設の暮らしで非常に重要な「食事時の風景」を、観察しておくようにしましょう。

食事の前後の時間帯を中心にして、入居者たちが、生き生きとした表情をしてるか、会話がはずんで
いるか、などもチェックします。


さらには、入居者の衣服の汚れ具合などが極端ではないか、ベッド回りの掃除が行き届いているか、といったところも、あわせてチェックしましょう。

施設内の設備としては、水回り、とりわけトイレとお風呂が衛生的で清潔になっているか、を重点的に
チェックします。


また衛生面という意味では、いつ訪れても施設内に独特の異臭がする…といった施設は、清掃・衛生面での手抜きが疑われます。

それらのチェックのためにも、日時をたがえた施設訪問を、できれば数回程度行いたいところです。


施設外においては、周辺環境がどうなっているか、近隣に公園などがあるか、ちょっとした買い物が
できるスーパーやコンビニがあるか、といった点についても、後々のためにチェックが必要です。


自分たちが施設を訪問しやすいかどうかという点から、施設への交通アクセスや交通機関のチェックをすることも確かに大事ですが、その施設で大半の時間を過ごす入居者のことを、あくまで中心において考えてあげたいものです。

 



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