高齢者住宅と介護施設、懸念とリスク(1)。


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介護付有料老人ホーム高齢者住宅等、民間の介護施設への入居という問題に直面したとき、入居者に少しでも適した施設を探すことに力を使い果たしてしまい、先々に懸念されそうな問題に対する目配りは、ついおろそかになってしまいがちなものです。

ここでは、現在の介護業界と介護付老人ホーム・高齢者住宅等をとりまく問題として指摘されている諸点について、ご説明します。


介護保険の導入によって、その給付対象となる「特定施設入所者生活介護」である介護付有料老人ホームやケアハウスなどの絶対数はこれまで介護保険の利用者数と共に大きく増加しており、介護施設選びの間口が広がったことは利用者側にとって確かに大きなメリットだったと言えるでしょう(ただし自治体による特定施設の総量規制のため、今後の新設のペースは鈍化すると見込まれています)。


しかしながら、それらの介護施設の大多数は、あくまで「営利を目的として」行われる企業経営であることを忘れてはなりません。

そして、それらの施設へ入居することは、あくまで施設経営者と入居者との間でなされる、いわば「自己責任」にもとづく契約です。


現時点で最良の判断を行ったにせよ、何年間も当該施設を利用することになるわけですから、利用料の値上げや自己負担額の増加、要介護度の重度化やスタッフの入れ替わりに伴う介護サービスの劣化といった利用者の日々の生活の質に大きく影響してくる部分が、将来的にはどうしてもでてくることになります。

そのような状況の変化が生じたときに、すばやく最善の対応策をとれるよう、日頃から事態の変化を想定した対策を考えておくことが必要になってきます。

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また、せっかく探し出して入居したにもかかわらず、施設を運営する母体企業の倒産・経営不振等による施設の閉鎖や、契約内容の大幅な変更といった事態すら、経営環境が厳しく過当競争ぎみの現在の介護施設業界においては十分に起こりうるリスクととらえておくべきでしょう。


そして、それらのリスクが現実のものとなるか否かについては、介護施設を運営する企業の「これまでの介護事業への関わり方」「介護事業に対する理念」「経営方針」「今後の事業戦略」等の、いわば目に見えないポイントの優劣に左右される面が大きくなります。


利用者サイドの自衛策としては、上述のポイント、すなわち施設を運営する企業の経営状況や将来性についても報道チェックや資料請求などによって可能な限り情報収集を行い、介護関連法の改正や介護業界の今後の動向に目を配りつつ、リスクを最小限におさえるよう自分なりに工夫する以外にはなさそうです。


すなわち、単に「よく広告を見かけるから」「大手だから安心」といった表面的な部分だけで動かされることなく、「介護施設を運営する企業としての将来性・安全性」「入居者の満足度からみた施設のサービスの質と価格の適切さ」の両方をにらみながら、冷静な検討を行うことが必要でしょう。


はやい話、その介護施設のサービスや価格がパーフェクトに満足できるものであったとしても、母体企業や運営会社の経営力が弱いと倒産してしまったり、また運営主体が変更され施設の方針が大きく変わってしまう可能性もあります。

また逆に介護施設の運営が順調であっても、母体企業が業績の拡大に貪欲すぎてしわ寄せが利用者にいってしまい、サービスの品質が損なわれたり、施設の利用料が大幅に値上げになったりしては困るわけです。

これらの点について入居者本人が的確に状況判断することは、まず難しいでしょう。

やはり周囲の家族らがそれとなく注意をし、機会をみて施設の介護長や担当ケアマネジャーともコミュニケーションをとりながら、可能な限り利用者本人の意思に沿うかたちでサポートをはかっていく必要があるでしょう。


さて、個々の施設の今後の動向にも大きな影響を及ぼであろう介護業界や介護施設をとりまく環境は、残念ながら厳しさが増す一方となっています。

高齢者住宅と介護施設、懸念とリスク(2)。 では、将来の動向が懸念されるいくつかの問題をご紹介します。

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