介護サービス、様々な利用者の負担軽減措置を活用したい(3)。


介護費用節約の味方となる制度について、シリーズでご紹介していますが、最後に税金面で
知っておきたい知識をいくつかご紹介します。


医療費控除


所得税の医療費控除は、最高で200万円を対象金額として、過去5年間さかのぼって申請することができます。

また、生計を一にしている家族ならば、家族全員の医療費を合計して、医療費控除を受けることが
できるのです。


ですので、領収書の名義を問わず、家族全員の医療費を合算して、いちばん所得の高い人が
医療費控除を受けるようにすると、節税効果も一番高まります。


ところで、確定申告における医療費控除で、介護費用においてもその加算が可能であることは、
ご存知でしょうか。


もっとも、介護費用であれば何でも対象になるというわけではなく、「介護保険制度の下で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額」が、医療費控除の対象となります。


まずは各サービスを受けたときの領収書をきちんと保存しておいた上で、確定申告の準備時などに、
地域包括支援センター担当ケアマネジャーに相談してみるとよいでしょう。


おおむね6か月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合、月々の介護用の紙オムツ代も、
医療費控除の対象にはなります。


ただし一番最初に、医師による「おむつ使用証明書」が必要になること、そして、その取得費用も
数千円程度かかることにはご注意ください。

2年目以降に医療費控除を受ける場合は、市町村長等が交付するおむつ使用の確認書をもって、「おむつ使用証明書」に代えることができます。


ちなみに、意外と知られていない医療費控除の対象となる費用も、いくつかあげておきます。


まず、通院のための交通費は、医療費控除の対象となります。

バスや電車については、通院の事実を交通費の金額を記録して確定申告のときに提出すれば、
対象に含めることができます。

タクシーにおいては、緊急な場合や、他に交通手段がない場合のみ、対象となります。

また自家用車で通院の場合は、ガソリン代・駐車場料金などは対象に含まれません。


他にも、薬局で買う風邪薬なども医療費控除の対象になりますので、領収書などを忘れずに保存しておくことをおすすめします。

しかし、健康増進を目的としたビタミン剤やサプリメントの購入は、対象外とされています。


詳しくは、国税庁のホームページ 「所得税 医療費を支払ったとき」をご参照ください。

 

障害者控除


所得税や住民税においては、障害者控除があります。対象者は、本人・配偶者・扶養親族です。


たとえば所得税の障害者控除においては、控除できる金額は、障害者1人について27万円(障害者のうち、精神または身体に重度の障害がある「特別障害者」においては40万円)となっています。

住民税の場合は、障害者1人について27万円、特別障害者においては30万円となっています
(詳しくは、国税庁のホームページ 「所得税 障害者控除」をご覧ください)。


さて、一般に、介護保険要介護認定者であっても、税法上は障害者(特別障害者)と認められて
いません。


障害者控除は、精神障害者保健福祉手帳や身体障害者手帳を持っていないと受けることができないと思われている方も多いと思います。

しかし、障害者手帳を持っていなくても、適用を受ける年の12月31日現在で満65歳以上の要介護1~5の認定者(すでに障害者手帳等の交付を受けている人は除く)は、申請によって市町村が認定した上で「障害者控除対象者認定書」を交付することによって、「障害者控除」を受けることができます。

要支援者や65歳未満の方は対象とならないので、注意してください。


要介護1~2の場合は「障害者認定」要介護4~5の場合は「特別障害者認定」と判定する市町村が多いようですが、要介護3の場合は市町村によって判断が分かれている場合があるようですので、
市町村の介護保険窓口にお問い合わせください。

 

扶養控除・配偶者控除の「同居特別控除額」


扶養控除・配偶者控除38万円となっていますが、扶養対象者・配偶者が70歳以上のときは、10万円加算されて48万円となります。

70歳以上の老親等と同居している場合は「同居老親等の控除」として、さらに一人10万円加算されて58万円となります。

そして、この扶養対象者が、引き続き6ヶ月以上寝たきりの状態(同居特別障害者)の場合には、
「同居特別控除額」として、1人についてさらに35万円加算することができます。

70歳以上で、特別障害者の老親と同居している場合には、扶養控除93万円(48+10+35)+障害者控除40万円(特別障害者)=133万円の控除が受けられることになります。


詳しくは、国税庁のホームページ 「所得税 扶養家族に寝たきりの老人がいるときの控除額」をご参照
ください。

 

課税対象となる介護サービス・福祉用具・住宅改修などには注意。


介護サービスは原則として非課税ですが、その中において消費税がかかるものがありますので、
そのような場合は、消費税込みの金額で考えていく必要があります。


たとえば、住宅改修費福祉用具のレンタルや購入(ただし、身体障害者用物品のレンタルや購入は、非課税となります)は、課税対象となります。


また介護サービスには、サービス実施地域外からの交通費や、ショートステイでの特別な居室等、
課税対象となるものがありますので、注意が必要です。


福祉用具の貸与・購入については、機能的に類似・同等の性能を持つものであるならば、非課税の
ものを選択したいものですね(福祉用具については、当サイトの姉妹サイト「介護用品・介護機器・福祉用具の基本を知る」も、よろしければあわせてご参照ください)。

 



過去の全記事(サイトマップ)は⇒ こちらから

< 当サイトの姉妹サイトも、よろしければあわせてご覧ください。 >

「介護施設と介護老人福祉・保険施設 その種類と役割」
「介護付有料老人ホーム 入居者目線で選ぶ智恵」
「介護保険 やさしい解説~制度の上手な使い方」
「介護予防 これだけは知っておきたい知識と知恵」
「介護用品・介護機器・福祉用具の基本を知る」
「在宅介護・高齢者介護~高齢者の心身と家族の気づき」


画面上へ








« 一つ前のエントリーへ | HOMEへ | 次のエントリーへ »

【高齢者住宅関連情報カテゴリーの関連記事】